瞳が映す景色




席に戻ったところ、会は終わりの様子を示していて。ちらほらと帰った顔もいるようだ。


「ゲンちゃんのことも待ってたけど、神様みたいに出てくる気配なかったからさ。またね、って」


「はい」


「目……赤いのは仕方ないとして、腫れてなくて良かった。僕にはいいけど、他に負担かけちゃダメだからね。――で、なんでそんなふうに?」


「……」


白鳥先生も本気で追及する気はなく、それからはしょうもないことばかりを口にしてくれた。


残っているメンバーは、この後の予定を確かめ合い、どうやらカラオケにでも行くようだった。


「みんなっ! 先行ってていいよ。片付けは先生たちが手伝ってくれるし」


澤が他のメンバーを促す。


「そうそう。僕たちはもう帰るだけだし。――ね? ゲンちゃん」


「っ、ああ、はい」


「ほら早くっ。部屋空いてなかったら待つでしょ? そしたら案外いい時間かもだし」


「じゃあ、私も美月ちゃん手伝うよ」


当然のように、藁科が名乗り出た。