一年間、多くの時間を過ごした大切な生徒たちだ。楽しくないわけがない。それぞれからの近況を聞くだけで、時間はすぐに過ぎていき、それは全く苦ではなく。
促されて座った店の一番奥の席。隣には、ゲンちゃんと連呼する白鳥さんが、オレを逃さないようにと離れない。よっぽど信用がないらしい。
「先生たちお久っ!」
「海堂、久しぶり。元気だな」
「久しぶり~、海堂」
狭いスペースに割り込むかたちで、海堂がオレと白鳥先生の間に座る。
「うわっ、チョー密着」
男子の中では標準よりもやや低かった海堂の身長は、会わない間にずいぶんと縦に伸びていた。
「伸びたな。骨が軋んだだろ」
「そうっすよ。夜中とかメッチャ痛くてさー。母親が病院行けってうるさかった。もっと伸びてくれてもいいんだけど、どうやら終了みたいな感覚」
「そうか。――にしても海堂。こんなぎゅうぎゅうなとこよりか、向こうへ行かなくていいのか?」
オレが指した先は、少し離れたテーブル。何人かで賑やかにしている声がこちらにも届いてくる。



