如月羽衣、19歳。看護の大学に通う普通すぎる大学1年生。
容姿も、運動神経も、何もかもが普通。
ただ、根っから真面目な性格で成績だけはよかった。
母子家庭だった私は、春から母を家に残し、この騒々しい都会で一人暮らしを始めた。
あれから半年以上がすぎ、やっと生活にも慣れてきたころ、街には冬の足音が聞こえてきていた。
普通すぎる私に、浮いた話はあるはずもなく、ただ単調に毎日が過ぎて行った。

最近、よくわからなくなる。自分が本当は何がしたかったのか。目的をもってこの大学に入ったはずなのに。
曜日感覚なんてなくなるくらい、それぐらい変わりばえない日々が繰り返されていた。
このまま過ぎて行くのに不安がないはずもない。
ふいに涙が流れることさえあった。

このままじゃいけない、変わりたい。
そう思っていた時だった
あなたに出会ったのは。