俺は出かける準備をして、井野を待った。



四時過ぎに家のインターホンが鳴り、出てみると井野がニッコニコ笑ってる姿があった。


「井野です!!!悠登くんいます?」

「俺だよ」

「あっ悠登!!やっほー!準備出来た?」

「あぁ、今行く」



俺は家の鍵を閉めて外へ出た。






「久々の外?」

「えっ?」

「バイト以外に外でないでしょ?」

「そっかな。」

「そーだよ。たまには散歩も悪くないでしょ!」

「まぁ…な。そんで?なんか用があって来たんだろ」

「あっ、公園で話そうか!」


井野はてけてけとベンチに向かって走った。

そして隣の開いてる席をベチベチと叩いて俺を待っている。




俺はそんな井野が微笑ましかった。



ベンチに腰掛けると、井野が話し始めた。




「悠登。最近どうなの?」

「えっ?」

「親と。お母さんかなり心配してるし、お父さんとも話してないんでしょ?」

「えっ…まぁ。」

「話さなきゃ。ね?これからのことも決めなきゃだし」



井野はいつも人の目をまっすぐ見て話す。


俺はそれが嫌だ。





まるで、全てを見透かされてそうで、







何も反論できなくなる。










だから…。












































死ぬ直前にお前の顔が浮かぶんだよ。