それから数日。旦那様との約束どおり、私は何不自由のない自由な生活を送っている。


最先端のドレスや美しい装飾品、何でも好きに買えばいいと言われているが、貧乏生活に慣れているせいで必要以上のものを買う気にはならなかった。


そんなリリスの最近のお気に入りの場所は、ラザフォード邸の広い書庫である。



「相変わらず凄い本の量ねえ…」



見渡す限りの本、本、本、本。

こんなに書物が集まっているのも、王宮を除いてここが一番なのではないだろうか。


もちろん、読書が大好きなリリスにとってここはまるで宝の山のようだった。