私の母は私が5歳になったばかりのころ、病で亡くなった。


ぼんやりと覚えているのは、私と同じ亜麻色の髪の優しい母。いつも笑っていて、私ともよくお喋りしてくれたのを覚えている。

父様も母様をとても愛していて、11年経つ今でもそれは変わらない。



「そうなの…なんだか不思議な気分ね。」


自然と笑みがこぼれる。



「けれどリリス様!その姿を公爵様に見られてはいないでしょうね⁈」