「それはそれは……」


ボーイは変わらず笑顔を保っている。


「本当に秘密にしてくださいます?」

「ええ、もちろん。」


疑わしいわあ。


「では、わたしはこれで。どうぞ舞踏会をお楽しみくださいませ。」


そう言って会釈したボーイは会場内へと去って行った。


「はーーーもうお酒のせいね。」


変な人に変なことを言って変な気分だ。
やっぱり来たのは失敗だったと改めて思うのだった。