「…秘密ですよ?実はわたくし結婚自体が苦手なのです。ほら、なにかと縛られてしまうでしょう?」


「はあ…お嬢様は変わったお考えをお持ちですね。」


まあ、これが普通の反応だ。令嬢達にとってはより良い物件との結婚が人生の中の最大の目標。結婚しないなどもっての他なのだ。


「では、何故今宵は舞踏会へ?」


聞かれるとは思ったが、言葉に詰まる。


「いえ、気付いたのは昨日で、父が勝手に返事を…」


ああ、これバレたら殺されるかしら。と思いつつカミングアウトしてしまった。憂さ晴らしだ。許してくださいね父様。