無口なキミのほんとのキモチ

恥ずかしくて、早くどこかに行ってほしくて、黙ったまま抱えた膝に顔を埋める。
ところが彼はどこかへ行くどころか、じっとこっちを見たまま動かない。

「…あ、あの、大丈夫ですから…」
だからお願い、そんなに見ないで…

「何があったかは、聞かないけど
とりあえず、これ」

そう言って彼が差し出したのは、一枚のハンカチとその上に添えられたキャンディ。

「あげるよ。可愛いんだから、それで拭いて」

私の手に半ば強引にハンカチとキャンディを握らせて、あとはもうさっさと立ち上がり彼はどこかへ行ってしまった。

薄い青のハンカチを握りしめたら、胸がきゅんと音をたてた。
名前を聞くのも忘れてしまった、たった数分の出来事。この日私は、恋をしたのです。