「がっくん・・・?」
背後から聞こえた声
昔より大人っぽく
なった綺麗な声
聞き間違えるはずない
ゆっくりと振り返った
『・・・・由奈。』
そこには俺をまっすぐ見つめて
呆然と立っている由奈がいた
「がっくんだよね・・・
っ・・・会いたかったっ・・・。」
涙を浮かべ俺の胸に走りこんできた由奈
ぼすっ
その華奢な体を受け止めながら
懐かしい匂いを感じた
『由奈・・・
俺も会いたかった。』
俺にしがみつくように
抱き着く由奈を俺も強く抱きしめた
あぁ・・俺が待ち望んだ瞬間だった
それから俺たちは会えなかった時間を
埋めるようにたくさん一緒の時間を過ごした
由奈に想いを伝えた時も
その大きな瞳に涙をぎりぎりまでためて
笑顔でうなずいてくれた
由奈と過ごす時間が愛おしくて
俺は由奈と同棲を始めた
由奈の高校卒業を待って
結婚の約束をした
