俺が就職して1年を過ぎた頃


由奈は高校二年生になっていた


もちろん人を思いやる
心優しい由奈は一人暮らしを
していた


施設を何年振りかに訪ね
俺は由奈の通っている高校を
教えてもらった



由奈と俺の仲が良かったことを
園長先生は覚えていてくれたから
特別よって



俺は一目だけでも由奈に会いたかった



成長した由奈を見たかった


もう俺のことは覚えてないかもしれない


もう俺の顔なんて見たくもないかも
しれない


そんな恐怖を抱えて
俺は由奈の姿を見るために
その高校の付近で立っていた




元気な高校生たちが
笑いあって楽しそうで
青春って言葉がぴったりだった




『あ・・・・。』




みつけた。


由奈はあのころより
綺麗に少女から女性へと
変わりつつあった




「由奈ー!!!」



「あ、もも。」


友達と笑いあってる由奈の姿は
俺の心を揺さぶった



あぁあの子は幸せに
日々を過ごしてる。



心の底からよかったとそう思った



それと同時に少し
寂しくなった