俺は両親を事故で亡くし
頼れる親戚もおらず施設へ入った



施設のみんなは仲が良くて
家族のように当り前に育ってきた



両親のいない俺たちには
見えない絆が芽生えていた


それぞれ一人立ちの時期になると
何とも言えない寂しさがあった


2度と会えなくなるわけじゃないの
かもしれないけど

俺たちの育ったあの場所を
離れるということは
言葉じゃ言えないほど寂しかった




由奈のことは妹のように
思っていた。


けどいつからかそんな風に思えなくなっていた




高校生になる時
俺は苦しい生活は覚悟の上で
施設を出た


まだ小学生の由奈と
別れを決めて。