「どうしたの?なんかあった?」
玄関でつい由奈を抱きしめてしまった
『何もないよ
ただ由奈がかわいいなぁって』
「なにそれ!」
『俺はずっと由奈がかわいくて仕方ない』
「っご飯すぐできるから
早く着替えてきてね!!!」
俺の腕から逃げ出した由奈の
耳は後ろからでもわかるくらい
真っ赤だった。
つい笑ってしまった俺
「いいから早く着替えて!!」
なんて可愛い天使が
怒ってしまったから素直に
従うことにした
スーツからスウェットに着替え
リビングへ向かう
『うわいい匂い。』
家に帰れば誰かがいる
ただいまと言って
おかえりと迎えてくれる人がいる
温かいご飯を作ってくれる人がいる
一緒にご飯を食べる人がいる
当り前と思う日常が人によっては
当り前じゃない
俺はこの日常が一生続いてほしい
はじめて俺のこの一人ぼっちだった家に
由奈が来ておかえりと出迎えてもらった時
言葉では言えない感動があった
