ランニングは速斗の日課である。

毎朝早くに、誰もいない川沿いを走る。


川のせせらぎと、鳥の囀り、また眩しい朝日という最高の風景を独占している感覚が気に入った。


朝方が一番過ごし易い上に、早朝も十分明るいので、速斗は夏が好きだ。



今日もそうして4時45分に家を出た。



川沿いまでは10分。

そこからは、自分が行きたい所まで走る。


今日は何処まで行こうかと考えつつ、アップを兼ねてジョギングする。




川まで続く道に出たところで、会ったことのない女性に出逢った。

「…おはようございます。」


彼女はふわっと笑った。