「ごめん。

待った?」



「おはよう。

少し早くに目が覚めてしまったの。

気にしないでね。」





「…あ。 そうなんだ…


…あー、どう?

この超田舎の生活は?」




「 ふふふ、んー、

まあ、 なんとか。


自宅とは趣が違うから、新鮮に感じる部分もある…かな。」



「 やっぱり、東京の方が過ごしやすい?」




「それは、まあ。

だって、生まれてからずーっと東京にいたから。」



「ははは、そうだよね…。」




ベンチに腰掛けて、統子は続けた。



「──私ね、おじいちゃん、おばあちゃんのお家に泊まっているんだけど、他の親戚も一緒なの。

で、ほとんど初対面のような子達と同じ部屋で寝るように言われたんだけど…」



「──やりづらい…?」



「 うん…

みんないい人達なのは分かってるつもり。

けど、私結構人見知りで…


気さくに話しかけられたら、どうしていいか分かんない…」



「え? 人見知りなの!?」


「あ、うん。

学校でもあんまり喋らないよ。


学校では、暗ーい感じの子。」




「そーなんだ…


あ、僕がこんな風に話しかけるのも嫌だったりする…?」



「そんなことないよ。

速斗君は話してて退屈しないし、緊張もしない。


こんなの両親の他に速斗君しかいないよ。」



統子は笑った。