「あの…私…!」
「名前はなんと言うんだ?」
…は?と首を傾げてしまった。
「おっと、こう言う時は己から名乗らんといかんなぁ」
そう言うと彼は小さく笑みを浮かべる。
おじさん…という感じの歳の人だ。
目元に寄った薄い皺が、彼の表情を一層柔らかく見せる。
「このアンジュレア国の王を務めている、ダリウス・クロードだ」
「あ…、リリスです」
ペコリと軽く頭を下げる。
「君は…生まれつきその色の髪なのか?」
それに瞳も…と、じっと見つめて来ながら彼は言った。
「はい、そうですけど…」
またその事についてか…と内心うんざりしながら小さく頷いく。
「私は前から赤い髪と瞳でしたよ?」
「赤?」
ダリウスは不思議そうに目を瞬かせた。
何か変な事を言っただろうか…とリリスは首を傾げる。
「私の目には桃色に見えるが…?」
「えっ?!そんな!!」
冗談だろうと思った。私の髪は赤い筈だ、瞳だって同じ。
「ならば、自分の目で確かめて見ると良い」
ダリウスはメイドを呼び、鏡を持ってくるように言った。直ぐに鏡が部屋に運ばれ、リリスの目の前に置かれる。
鏡に映る自分の姿を見て、リリスは目を見開いた。
「何、これ…っ」
先程まで気づかなかったが、セミロングくらいの長さだったはずの髪は腰まで伸びていて、桃色だった…。
瞳も同じ、赤かった筈が桃色に染まっている。
「桃色だろう?」
「…こんな色じゃなかったんですが…」
此処に来て、何かと可笑しい事がありすぎる。
「この色の髪と瞳を持つものは…」
そこまで言って、ダリウスさんは言葉を飲み込んでしまった。
「あの…何か知ってるんですか?」
「それは…「失礼致します」」
言葉の途中で扉がノックされ、誰かが入ってきた。
「父上、書類をお持ちしましたよ」
「あぁ、そこに置いてくれ」
「…あ」
ダリウスさんと彼のやり取りをじっと見てたら、彼と目が合ってしまった。
綺麗な人だな…。
無意識に溜息が溢れそうな整った顔立ち。
綺麗な銀髪が後ろで軽く結われ、透き通るような翡翠色の瞳が髪の色に引き立てられて居る様だ。
その美しさに私は無意識に見惚れて居た。
「名前はなんと言うんだ?」
…は?と首を傾げてしまった。
「おっと、こう言う時は己から名乗らんといかんなぁ」
そう言うと彼は小さく笑みを浮かべる。
おじさん…という感じの歳の人だ。
目元に寄った薄い皺が、彼の表情を一層柔らかく見せる。
「このアンジュレア国の王を務めている、ダリウス・クロードだ」
「あ…、リリスです」
ペコリと軽く頭を下げる。
「君は…生まれつきその色の髪なのか?」
それに瞳も…と、じっと見つめて来ながら彼は言った。
「はい、そうですけど…」
またその事についてか…と内心うんざりしながら小さく頷いく。
「私は前から赤い髪と瞳でしたよ?」
「赤?」
ダリウスは不思議そうに目を瞬かせた。
何か変な事を言っただろうか…とリリスは首を傾げる。
「私の目には桃色に見えるが…?」
「えっ?!そんな!!」
冗談だろうと思った。私の髪は赤い筈だ、瞳だって同じ。
「ならば、自分の目で確かめて見ると良い」
ダリウスはメイドを呼び、鏡を持ってくるように言った。直ぐに鏡が部屋に運ばれ、リリスの目の前に置かれる。
鏡に映る自分の姿を見て、リリスは目を見開いた。
「何、これ…っ」
先程まで気づかなかったが、セミロングくらいの長さだったはずの髪は腰まで伸びていて、桃色だった…。
瞳も同じ、赤かった筈が桃色に染まっている。
「桃色だろう?」
「…こんな色じゃなかったんですが…」
此処に来て、何かと可笑しい事がありすぎる。
「この色の髪と瞳を持つものは…」
そこまで言って、ダリウスさんは言葉を飲み込んでしまった。
「あの…何か知ってるんですか?」
「それは…「失礼致します」」
言葉の途中で扉がノックされ、誰かが入ってきた。
「父上、書類をお持ちしましたよ」
「あぁ、そこに置いてくれ」
「…あ」
ダリウスさんと彼のやり取りをじっと見てたら、彼と目が合ってしまった。
綺麗な人だな…。
無意識に溜息が溢れそうな整った顔立ち。
綺麗な銀髪が後ろで軽く結われ、透き通るような翡翠色の瞳が髪の色に引き立てられて居る様だ。
その美しさに私は無意識に見惚れて居た。