破滅の女神 リメイク版


* * * *

結局昨日は何もする事なく、本当に適当に時間を潰して過ごした。

そして今日、起きて試しに窓から外の様子を見てみる。

「本当だ、人がいる…」

門の所に人だかりが出来ている事が分かる。
あんなに沢山…。急に不安になってきた。

「リリス様、おはようございます」

「あ、おはようミーヤ」

「今日は街にお出かけなさるんですよね!」

「うん…本当に私が役に立つか分からないけど…」

頑張らなくちゃ…と呟いた。とにかく私に出来る事を…。

「リリス様、そんなに心配なさらないでください。大丈夫ですよ!」

窓際に立っていた私に歩み寄り、ミーヤはぎゅっと手を握ってくれる。

「…うん、そうだね。頑張ってみるよ」

カイルさんの傷も治せたんだ。今回もきっと大丈夫…。出来ないなら私がここに来た意味が無くなってしまう。

「さぁ、準備致しましょう?」

「うん、お願い」

ドレスを選んでもらい、髪も綺麗に結い上げてもらう。不安はまだ少し残るが、顔に出して彼女に心配をかけるのも嫌だ。
なるべく笑顔を保ち、明るく努めていた。

「さぁ、出来ましたよ!…リリス様、無理して明るくなさらなくても大丈夫ですよ?」

「え…」

まさか気づかれていたとは思はなかった…。

「ふふ、見ていて分かります。リリス様のお力は素晴らしい物ですよ、自信をお持ちください!」

屈託の無い笑顔を見ると、何だか不思議と元気が出てくる。スッと胸が軽くなり、自分でも気付かなかったのだろう、随分肩に力が入っていたようだ。

「ダリウス様が一度王室に来るようにと仰っておりましたので、街に行く前に行ってきてください」

ポンと肩を軽く叩き、ミーヤは大丈夫ですと言った。ありがとうとお礼を言い、王室に向かう。
ミーヤのお陰で緊張も大分解れた。本当に感謝だ…。あんなに応援してくれたんだ、頑張ろう。

「失礼します…あれ、ビリアさん?」

王室にはダリウスさんとルイスさん、それにビリアさんがいた。

「おはよう、リリス。今日は私も一緒に行きますね」

「本当ですか!」

一人で行くんじゃないのか…、ビリアさんが来てくれるだけで安心出来る。

「リリス、宜しく頼むぞ」

ダリウスさんに期待の篭った眼差しを向けられ、戸惑いながらも頷く。期待を裏切ってはいけない…。

「リリス、俺も一緒に行くよ」

「えっ、ルイスさんもですか…?」

凄く嬉しいが、彼も忙しい身だ。わざわざ時間を割いてくれて…大丈夫なのだろうか。

「俺と一緒は嫌かい?」

「いえっ、そんな事は…。ただ忙しいですし、わざわざ悪いです…」

「遠慮しなくていいんだよ。俺が一緒に行きたいんだ」

ルイスさんも居てくれるなら本当に心強い。嬉しくて自然と笑が浮かんでくる。

「ありがとうございます、私頑張ります」

それぞれの家にビリアさんが案内してくれるそうなので、三人で馬車に乗り込み街に出かけた。