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結局昨日は何もする事なく、本当に適当に時間を潰して過ごした。
そして今日、起きて試しに窓から外の様子を見てみる。
「本当だ、人がいる…」
門の所に人だかりが出来ている事が分かる。
あんなに沢山…。急に不安になってきた。
「リリス様、おはようございます」
「あ、おはようミーヤ」
「今日は街にお出かけなさるんですよね!」
「うん…本当に私が役に立つか分からないけど…」
頑張らなくちゃ…と呟いた。とにかく私に出来る事を…。
「リリス様、そんなに心配なさらないでください。大丈夫ですよ!」
窓際に立っていた私に歩み寄り、ミーヤはぎゅっと手を握ってくれる。
「…うん、そうだね。頑張ってみるよ」
カイルさんの傷も治せたんだ。今回もきっと大丈夫…。出来ないなら私がここに来た意味が無くなってしまう。
「さぁ、準備致しましょう?」
「うん、お願い」
ドレスを選んでもらい、髪も綺麗に結い上げてもらう。不安はまだ少し残るが、顔に出して彼女に心配をかけるのも嫌だ。
なるべく笑顔を保ち、明るく努めていた。
「さぁ、出来ましたよ!…リリス様、無理して明るくなさらなくても大丈夫ですよ?」
「え…」
まさか気づかれていたとは思はなかった…。
「ふふ、見ていて分かります。リリス様のお力は素晴らしい物ですよ、自信をお持ちください!」
屈託の無い笑顔を見ると、何だか不思議と元気が出てくる。スッと胸が軽くなり、自分でも気付かなかったのだろう、随分肩に力が入っていたようだ。
「ダリウス様が一度王室に来るようにと仰っておりましたので、街に行く前に行ってきてください」
ポンと肩を軽く叩き、ミーヤは大丈夫ですと言った。ありがとうとお礼を言い、王室に向かう。
ミーヤのお陰で緊張も大分解れた。本当に感謝だ…。あんなに応援してくれたんだ、頑張ろう。
「失礼します…あれ、ビリアさん?」
王室にはダリウスさんとルイスさん、それにビリアさんがいた。
「おはよう、リリス。今日は私も一緒に行きますね」
「本当ですか!」
一人で行くんじゃないのか…、ビリアさんが来てくれるだけで安心出来る。
「リリス、宜しく頼むぞ」
ダリウスさんに期待の篭った眼差しを向けられ、戸惑いながらも頷く。期待を裏切ってはいけない…。
「リリス、俺も一緒に行くよ」
「えっ、ルイスさんもですか…?」
凄く嬉しいが、彼も忙しい身だ。わざわざ時間を割いてくれて…大丈夫なのだろうか。
「俺と一緒は嫌かい?」
「いえっ、そんな事は…。ただ忙しいですし、わざわざ悪いです…」
「遠慮しなくていいんだよ。俺が一緒に行きたいんだ」
ルイスさんも居てくれるなら本当に心強い。嬉しくて自然と笑が浮かんでくる。
「ありがとうございます、私頑張ります」
それぞれの家にビリアさんが案内してくれるそうなので、三人で馬車に乗り込み街に出かけた。

