「あれっ!!君がリリスちゃん?」
ガバっとルイスさんの肩に腕を回し、先ほどの青い髪の人が話しかけてきた。
「えっと…」
反応に困っていると、ルイスさんが彼の頭を軽く小突く。
「こら、リリスが困ってるじゃないか。」
「え?あぁ〜ゴメンゴメン!僕はカイル。カイル・ローレンツ。」
宜しくね、リリスちゃん!とカイルさんは人懐っこい笑顔で笑う。綺麗に整えられた青い髪にルイスさんよりも深い青い色の瞳が印象的な人だ。
彼はこの国の騎士団の団長さんらしい。歳はルイスさんとあまり変わらなく見える。
若いのに団長なんて…凄い。
「ほら、いつまでくっついてるんだ。離れてくれる?」
重い。と言ってルイスさんはカイルさんの腕をペシッと下した。
「何だよ連れないな~?」
「汗かいたし、くっつくなって言ってるんだよ」
「え、僕汗臭かった?!うわ~シャワー浴びなくちゃ~」
目の前でポンポンと弾む会話は、正直見ていて楽しい。
クスッと思わず笑ってしまった。
「ん?リリス、どうかした?」
「あぁ、いえ。お二人とも仲がいいな…と思いまして」
カイルさんと話すルイスさんも、何だか楽しそうだ。
「は?あー…うん、それなりに長い付き合いなんだよ。こいつとはね」
「コイツとは何だ、コイツとは!!」
苦笑いを浮かべるルイスさんの脇を、カイルさんはムッと頬を膨らませながら小突いている。その様子は二人とも本当に楽しそうだ。
「…あっ、カイルさん。手を怪我したんですか…?」
「え?いつの間に…こんなの掠り傷だよ!大丈夫!」
「…でも…。ちょっと見せてください」
カイルさんの手を取り、傷を見る。スッと切れた傷が手の甲に走っている。
「駄目ですよ、化膿してしまうかもしれない…」
傷口に手を翳し、意識を集中させる。すると、ぽぉっと白い光がカイルさんの手を包む。良かった、上手く出来そうだ。
「わぁ、治っちゃった!!リリスちゃん凄いね!!」
「いえ…上手く出来てよかったです…」
すっかり傷が消えた手を、カイルさんは目を丸くしながら見ている。
「ありがとう!!」
「ほら、もう治ったんだろう。リリスの手離して」
まだ握ったままだったカイルさんの手を、さり気無くルイスさんに離された。
「ルイスさん?」
「…あぁ、いや。何でもないよ」
素っ気なく返され、何かしてしまったかと不安になる。

