「そうですか、では色々と話を聞かせていただきましょう」
「はい、分かりました…」
やっと話してもらえるんだ…色々と聞きたい事もある。
「あぁ、その前に自己紹介がまだでしたね?
私はビリアと申します。この国では魔女として、色々な仕事をしているんです」
そう言ってふんわり笑うビリアさんは本当に優しそうだ…。
「初めまして、私はりリスです。宜しくお願いします」
軽く頭を下げ、これから話される内容に少しばかり体を強ばらせた。
「そんなに緊張しなくて大丈夫ですよ。まず此処に来たときの事を話してくれますか?」
「はい…えっと」
記憶を辿り、この世界に来た経緯を順に話していく。時折ビリアさんは質問を挟み、私の話に耳を傾けていた。
何か関係があるかもしれないと思って、私には親の記憶や、幼い頃の記憶もない事もビリアさんに話した。
その様子を、ダリウスさんとルイスさんは静かに見つめていた。
「…やはりそうでしたか…」
「あの、私って何者なんですか?此処に来たら赤かった髪と瞳がピンクになったり...」
身の回りで奇妙な事が起こりすぎる。
「...この国には、ある言い伝えがあるんです」
「言い伝えですか?」
その言葉が出てくると、ルイスさん達の顔付きが変った。
「昔々、破滅と希望が争っていたときの事…。互いの神は力を使い果たし、生き延びる術は残されていなかった。
最後の力を使い、両方の神は子孫を残した...『破滅』と『希望』一つずつの力を宿した娘を。
桃色の娘、現われしとき...この国は変る、彼女によって。と言う言い伝えなのです」
「なんだか、怖いですね」
破滅なんて...凄く不気味な話だ。それに神なんて…。
「桃色の娘とは、リリス。貴方のことでしょう」
「ま、まさか...破滅の女神が私って...」
さっとリリスの顔から血の気が失せる。
「逆です、桃色の娘が希望なのです」
「それって…私が…」
私が希望の女神という事なのだろうか。
そんないきなり神絡みの話をされても現実味が湧かない。
「きっとそうでしょう。この国を平和にするために貴方はここに来たのです」
「そんな…私なんかが…」
「今は信じられないのも無理はありませんよ。きっと、女神の力がその内目覚めるでしょう」
想像していた以上に大き過ぎる話に、頭は中々ついて行かない。
「ただ...この話にはまだ何かあった筈なんです」
「続きがあるんですか?」
「いえ、なんせ随分昔の話なので...調べてみないと詳しくは」
そう言ってビリアは申し訳なさそうに眉を下げた。
「...そうですか。色々教えてくださっただけで十分ですよ!!」
その後も色々とビリアさんに教えてもらった。
元の世界に帰るには、次の満月の夜に鏡か何かに月を映して入ればいいそうだ。
だからあの時、湖に落ちて此処に来たんだ...。
「私が知っている事はこの位ですね」
「ありがとう御座います、助かりました…」
気持ちが落ち着く云々は差し置いて、自分が何なのか。どうしてこの世界に来てしまった事などは理解できた。
未だに女神という点については信じられないし、実感も湧かないが話が聞けて疑問は解けた気がする。
「ありがとうビリア、これで全て解決した」
ずっと黙って話を聞いていたダリウスが口を開く。
「リリス、帰ってからもまた此処に来てくれるかな?」
「私、またここに来てもいいんですか?」
「あぁ、勿論だとも。女神とあっては丁重に持て成さんといかんなぁ」
ダリウスさんは笑いながらそう言った。
自分を受け入れてくれたような気がして凄く嬉しい。ずっと一人で閉ざしていた心が少しだが開いた気がする。
「はい、分かりました…」
やっと話してもらえるんだ…色々と聞きたい事もある。
「あぁ、その前に自己紹介がまだでしたね?
私はビリアと申します。この国では魔女として、色々な仕事をしているんです」
そう言ってふんわり笑うビリアさんは本当に優しそうだ…。
「初めまして、私はりリスです。宜しくお願いします」
軽く頭を下げ、これから話される内容に少しばかり体を強ばらせた。
「そんなに緊張しなくて大丈夫ですよ。まず此処に来たときの事を話してくれますか?」
「はい…えっと」
記憶を辿り、この世界に来た経緯を順に話していく。時折ビリアさんは質問を挟み、私の話に耳を傾けていた。
何か関係があるかもしれないと思って、私には親の記憶や、幼い頃の記憶もない事もビリアさんに話した。
その様子を、ダリウスさんとルイスさんは静かに見つめていた。
「…やはりそうでしたか…」
「あの、私って何者なんですか?此処に来たら赤かった髪と瞳がピンクになったり...」
身の回りで奇妙な事が起こりすぎる。
「...この国には、ある言い伝えがあるんです」
「言い伝えですか?」
その言葉が出てくると、ルイスさん達の顔付きが変った。
「昔々、破滅と希望が争っていたときの事…。互いの神は力を使い果たし、生き延びる術は残されていなかった。
最後の力を使い、両方の神は子孫を残した...『破滅』と『希望』一つずつの力を宿した娘を。
桃色の娘、現われしとき...この国は変る、彼女によって。と言う言い伝えなのです」
「なんだか、怖いですね」
破滅なんて...凄く不気味な話だ。それに神なんて…。
「桃色の娘とは、リリス。貴方のことでしょう」
「ま、まさか...破滅の女神が私って...」
さっとリリスの顔から血の気が失せる。
「逆です、桃色の娘が希望なのです」
「それって…私が…」
私が希望の女神という事なのだろうか。
そんないきなり神絡みの話をされても現実味が湧かない。
「きっとそうでしょう。この国を平和にするために貴方はここに来たのです」
「そんな…私なんかが…」
「今は信じられないのも無理はありませんよ。きっと、女神の力がその内目覚めるでしょう」
想像していた以上に大き過ぎる話に、頭は中々ついて行かない。
「ただ...この話にはまだ何かあった筈なんです」
「続きがあるんですか?」
「いえ、なんせ随分昔の話なので...調べてみないと詳しくは」
そう言ってビリアは申し訳なさそうに眉を下げた。
「...そうですか。色々教えてくださっただけで十分ですよ!!」
その後も色々とビリアさんに教えてもらった。
元の世界に帰るには、次の満月の夜に鏡か何かに月を映して入ればいいそうだ。
だからあの時、湖に落ちて此処に来たんだ...。
「私が知っている事はこの位ですね」
「ありがとう御座います、助かりました…」
気持ちが落ち着く云々は差し置いて、自分が何なのか。どうしてこの世界に来てしまった事などは理解できた。
未だに女神という点については信じられないし、実感も湧かないが話が聞けて疑問は解けた気がする。
「ありがとうビリア、これで全て解決した」
ずっと黙って話を聞いていたダリウスが口を開く。
「リリス、帰ってからもまた此処に来てくれるかな?」
「私、またここに来てもいいんですか?」
「あぁ、勿論だとも。女神とあっては丁重に持て成さんといかんなぁ」
ダリウスさんは笑いながらそう言った。
自分を受け入れてくれたような気がして凄く嬉しい。ずっと一人で閉ざしていた心が少しだが開いた気がする。

