夏生side 「ピンポーン」 病院で検査を受けた翌日。 「はい」 『俺!学校まで一緒に行こうぜ!』 インターホンの前には、幸樹が立っていた。 あたしは「ちょっと待ってて」と言って、急いで支度をする。 「お待たせ」 「おう!」 最近、幸樹が優しい。 多分、あたしが病気だってことを知ったからだと思う。 「文化祭から、日奈多とは連絡してんのか?」 「…ううん。なんにも」 「そっか」