「日奈多は幸樹の好きな子見たことあるの?」


「んー…まだない。なんていう子かも知らないし」


「そっかぁ…」


「それよりいいの?パイ」


日奈多に指を指され、見ると、ぐちゃっとした生地の塊が。


「あー!」


あたしは慌てて生地を切る。


「ははっ、ぼーっとしすぎ」


「だってー…」


日奈多は笑いながら、あたしから生地を取る。


「教えて。俺がやる」