足跡の、その先に。



夏生は自分の事を話した。


「あたしは、癌なの。時々発作が起きてたけど、大丈夫だった。でも、もう危ない状態って言われちゃってさ。だからこれからは入院生活」


「癌…」


「でも、今は大丈夫だよ?結構安定してるし」


夏生はニコッと笑う。


「じゃあ、これから来てもいいか?」


俺がそう言うと、夏生の顔がパアッと明るくなる。


「…うんっ」