送るといっても、俺はこの子の病室を知らないので、必然的に着いていくかたちになる。
聞こうにも聞ける雰囲気でもなく。
さっき病室聞いときゃよかった、と後悔しながら彼女の後ろを歩く。
どうやら彼女の病室は奥の方ーーー個室か…
「ここです」
彼女は扉を開け、中に入るように促した。
「!?」
彼女の名前は…と思ってネームプレートを探して驚愕した。
『荻野 諒』
まさしく、先日友人から嫌というほど聞かされた名であった。
ーーーそこはまだいい。
いいとして、問題は。
「女!?」
「はい!?」
驚きすぎて、うっかり叫んでしまった。
つられて彼女も大声。そりゃそうだ。
「いや、真…先生…から名前聞いてて」
彼女の大きな瞳が、こちらをじっと見つめてくる。
気分を害するのではという考慮から正直に思ったことを言うのは躊躇われたが、この瞳に嘘はつけなかった。
聞こうにも聞ける雰囲気でもなく。
さっき病室聞いときゃよかった、と後悔しながら彼女の後ろを歩く。
どうやら彼女の病室は奥の方ーーー個室か…
「ここです」
彼女は扉を開け、中に入るように促した。
「!?」
彼女の名前は…と思ってネームプレートを探して驚愕した。
『荻野 諒』
まさしく、先日友人から嫌というほど聞かされた名であった。
ーーーそこはまだいい。
いいとして、問題は。
「女!?」
「はい!?」
驚きすぎて、うっかり叫んでしまった。
つられて彼女も大声。そりゃそうだ。
「いや、真…先生…から名前聞いてて」
彼女の大きな瞳が、こちらをじっと見つめてくる。
気分を害するのではという考慮から正直に思ったことを言うのは躊躇われたが、この瞳に嘘はつけなかった。
