ゆびきりに願いを込めて

4月22日


「ねぇ、頼むから」

「……」

仮眠室のの一角。

真は同期の友人ーーー美作 奏に相談を持ち掛けていたところだ。

相談とは、昨日の少女のこと。

彼女には定期的に来てくれる身内はいない。
病気の性質上風邪などの感染症にかかってもいけないから実質個室に隔離状態で毎日一人ぼっち。
自分は外来の受診もやっており時間が中々取れないから、その間相手をしてやってくれないか、と。

「自分の患者だけでも大変だ、知った事が」

と、最初はばっさり断った奏だが、
折れない真に根負けしていき、
譲歩に譲歩を重ねて

「分かったよ。そのうち、顔出す」

これが彼の答えだった。