クロヴィス「あれ、ねぇ俺のパイプ知らない?白い方の」

アーサー「さぁ」

ク「おかしいなぁ、ここに置いたはずなのになぁ。探し物って探している時に限って見つからないよねぇ」

ア「君は本当に発想が平凡ですね。いいことです」

ク「俺には誉め言葉ではないね。では君にとってどういう発言がお好みかな」

ア「そうですね。探し物が見つからないのではなく見つからないのが探し物です」

ク「だったら探す意味ないじゃん」

ア「探し物なんて往々にして見つからないものなんですよ。無くせばそれまで。必要なものは手放してはならないのです」クルクル

ク「あっ、それ俺のパイプ」

ア「資料室の引き出しに入っていました。これでもう探し物ではありませんね」

ク「君が探してくれたのか?」

ア「探し物は見つかりません」

ク「つまり探すという行為自体が無意味ということかな」

ア「さぁ。君が決めるんです」

ク「君は困るといつもそれだね」

ア「それしか定義する方法はありませんから。定義されざるものは」

ク「存在しない。それも君の口癖だな」

ア「それが、わたしの世界を決める唯一の手段なんだよ」