ひどい雨だった。

それも、急な雨。

傘を持っていなかった香織は、雨に打たれながら、

朝のニュース番組の天気予報士が私だったら、明日のニュースには恥ずかしくて出られない、そんな風に思った。

明日からの二連休が明ければ、定期考査なので、

香織のカバンの中にはいっぱいに教科書が入っていて、

ただでさえ重いのに、こりゃあ参った、なんて、思ったりもしていた。


けれど、そこまで嫌な気持ではなかった。


定期考査のたびに持ち帰る教科書も、家で勉強することのない香織からすれば、ただの気休めで、

いわばおまもりのようなものだったので、別に濡れたって何の問題もなかった。

ただでさえ重いカバンが、雨に濡れて、もっと重くなってきていた。