幸せになるために

「...香紅夜。」
「かぐや?」
「うん。」
「綺麗な名前だね、香紅夜。」
そう言って笑った彼の笑顔は反則物で、私は真っ赤になった顔を見られないように少し下を向いた。
「あ............えっと、」
「あ、俺?心夜。」
(しんや...心夜。)
初めて知ったその人の名前を心の中で何度も読んだ。
口になんて出せない、出せるわけがなかった。
その後彼は、私にいろんな話をしてくれた。そして、
「香紅夜、また明日な!」
私の名前を呼んで、私に笑いかけてさって行った。
また明日と言って。
その夜、私は眠るこが出来なかった。目を閉じると心夜の顔が浮かんできて、どうしても覚めてしまう。
「はぁ、」
きっと、明日はもっと心夜を好きになる。
そんな確信が私の中にはあった。