「杏梨はどうしたいの?」

突然ママに言われた。


私が…どうしたい…



「…どうしたらいいかなんてわからない。なにをしたらいいかもわからない。
でも、産みたいの。」


それが私の精一杯の言葉だった。

「杏梨、あなたがなりたかった高校生だよ?着たかった制服だよ?
なりたいものは?
本当にそれでいいの?」


「わかってるよ。でも、産みたいの…」


高校生は一度しかできない。

制服もずっと着たかった。
憧れだった女子高生。

でも、今は何よりも、こっちが大事なの。