つうか、お前は俺と結婚する気がないのか?


急に不安になり、俺は思わず体を固くしたが。


でも、次のまりあの言葉で、一気に力が抜けたのだった。




「・・・ちょっ、そんなに怖い顔しないで。ちょっと、待ってよ。だってこの間、確かに一緒に住むってジローが言ったけど・・・それって、家の中が散らかるから片づける為に毎日通うより、一緒に住めば私が楽になるってことじゃなかったの?」


「あぁっっっ!?!?!?」




びっくりだ。


今世紀最大の、びっくりだ。


俺が、あまりにもびっくりしすぎて言葉も発せないまま、まりあを見つめていたら。





「ぶぶっっっーーーーー!!!!あはははっ!!慈朗、あんた何ダッサい事やってんのよっ!!あはははははっ・・・・。」





姉ちゃんが、噴き出して大爆笑をした。




「ふふっ・・・。」





ついでに、今までいたのに一切存在感がなかった姉ちゃんの旦那の良夫さんまで、笑いやがった。


ありえねぇ・・・この格好が悪すぎる状況に、原因のまりあを睨むと・・・。




「だ、だって・・・ジロー結婚なんて、今まで一言も言わなかったじゃない!!」


「ああっ!?6年も付き合って、ずっと一緒にいんだぞっ。今更お前と離れるわけねぇだろうがっ。一緒に住むっていってんだぞっ。だれが、掃除させるためだけに、一緒に住むっていうかよっ!それに、この間お前の親に、そろそろちゃんとします、って挨拶にいっただろうがっ!そこらへん、空気でわかれやっ。」


「ええっ!?あれ、そういう意味だったのっ!?」


「・・・薫さん、涙ぐんでたろ?で、自分のスケジュール確認しに行って、お前に来年の3月くらいにスターライト島でいいかって、聞いたろ?」


「それ、星がきれいな日本人があんまり行かない島があるからって・・・家族旅行に行く話じゃないの?」


「結婚式あげにいくんだよっ!あんま人の行かない島で家族だけで式あげるって話だっ・・・つうか・・・はぁ・・・お前以外全員わかってたぞっ!?」




俺があまりのまりあのボケぶりに腹が立ってギリリと睨みつけると、まりあは負けじと睨み返してきた。


そして。




「だって、ジロー、プロポーズしてくれていない!!」





なんて、ふざけたこと言い出しやがった。


俺は、まりあの顎を持ち、強引に顔を上に向かせた。





「あぁ?・・・忘れたとはいい度胸だなぁ?俺は、お前に告った時に、ついでにプロポーズまでしたんだけどなぁ?『これからも、お前だけだ。覚悟しておけ。』っつったら、お前頷いたじゃねぇか?」





忘れたなんてありえねぇと俺はむかついて、近距離でまりあを睨みつけた。



だけど。


この後、とんでもない展開が・・・。





――バシッ!!




突然・・・目から、星が散った・・・。





「結婚してもらうのに、脅してどうすんのよっ!!あんた、相手につたわってなきゃ、プロポーズの意味ないでしょう!?空気なんかエスパーじゃあるまいし、読めるわけないでしょう!!まったく、バカじゃないのっ!!」




姉ちゃんに本気でどつかれ、思いっきり怒鳴られた。



おまけに、ありえねぇことに・・・。