貴方に魅せられて

本屋まで送ってもらうと

「では、私はここで
お待ちしておりますので。」

そう言った宮城さんに見送られた。

本屋に入ると
翔平さんは自分の本を
見に行くと思っていたが
ずっと私についてくる。

本屋で少し1人になれると
思っていたから気が休まらない。

参考書のコーナーで
私は勧められた本の名前が書いてある
メモを見ながら本を探し出した。

すると、わたしの背後から
そのメモを覗き込む翔平さん。

綺麗な顔が
私の顔のすぐ隣にある。
大人の香りがフッと香った。

私の落ち着いていた心臓はまた
静かな本屋に響き渡るくらい
大きな音で激しく動き出した。

そんな私をよそに
翔平さんは私の参考書を見つけ
そのままの体勢ですっと手を伸ばし
本棚から本を取り
私の手元に置いた。

「これだろ?」

低い声で自然と耳元で
囁かれるような形になり

私はビクッと肩を動かした。
さすがにその私に気づいた翔平さんは
ふっと笑って体を離した。

その瞬間背中に冷たい空気が触れ
少しさみしい気持ちになった。