そこでは
多分このオムライスを作るために
失敗したであろう
グチャグチャの
卵チャーハンのようなものを
壁に寄り掛かりながら
食べている翔平さんがいた。

私の視線に気づいた翔平さんと
目が合う。

「何見てんだよ!見んな!!」

恥ずかしそうに言う翔平さん。
なんだか可愛らしかった。

「ね、一緒に食べよ?」

私たちは
同じ完成像を目指して
作られたとは思えない食事が乗った
お皿を並べて一緒に食べた。