チャイムが鳴ってからノートを見る。


――『正』印九個と三本の線で形成された未完成品一個。

つまり、四十八回『でもって』を言っていたのだ。


一時間の授業時間は六十分だったため、一・二五分に一度、口にしていたことになる。

私は、純粋に感動してしまった。


だが、その日の授業内容が頭に残っていなかったのは、述べるまでもない。