「どうかしたの?」
「ひぇ!」
とっさに自分の口を押さえる。
変な声でちゃった…
「ごめん、驚かせちゃった?」
振り向くと雅也くんだった。
「あ、ううん。大丈夫」
「電話?」
「うん。お母さんから。
ペットの餌買ってきてって」
「ゴールデンレトリバーだっけ?」
「うん…」
驚いた。
雅也くんよく覚えてるなぁ。
「あ、アイス。食べる?」
そう言って、レジ袋からアイスクリームを
取り出す。
「え?いいの?」
「うん、バニラ…平気?」
「うん、ありがとう!」
優しいなぁ。
『気になった方と付き合ってみれば?』
凛ちゃんの言葉が頭をよぎる。
