「いいいいいい伊東せんぱっ…!?」
「ごめんこれ探してた?誰のかなーって思って探しに来るの待ってたんだ」
「えっあははははそうですか…!わざわざ待ってくださって…暑いのにすみません!」
私の体温は急上昇し、オーバーヒートだった。
鼓動が早まり体が揺れるほどだった。
スマホを受け取ろうと手を伸ばすと、先輩はその手を引っ込めた。
すると伊東先輩が発した言葉に私は唖然とした
「お前、人の写真のフォルダ作りやがって、気持ち悪いんだよ」
さっきまで早かった鼓動は、一気にピタリと止まるかのように大人しくなった。
暑かった体温も、一気に冷たく凍り付いた。
「二度とこういうことしないでくれる?お前みたいなやつ、興味ないから」
先輩は私のスマホをほおり投げると、静かに教室を出ていった。
私はただ黙って青く光るスマホを見ていた。
こうして私の生活は一気に崩れ落ち、ドン底へと蹴り落とされたのだった。
