学校に着くと全速力で階段をかけ上がり見慣れた「1-D」の教室を目指す。
「誰にも見られてませんように…!」
心配するのも当然、なんといったって私の携帯にはよからぬものがたくさん詰まっている。
大好きな先輩の腹チラ写真とか写真とか写真とか写真とか写真とか。
拝むように両手の平を合わせながら器用に走り、ようやく、最上階、一番奥というなんとも最悪な教室へとたどり着いた。
「ええと…スマホスマホ…!」
私の机には太陽の光が反射した青色のスマートフォンが置かれていた。
ハズだった。
「え…?まじで…!?ちょっと…私のスマホは…!?」
最悪だ。
あんなプライベートな個人情報と先輩の写真だらけの変態丸出しフォルダと友達との阿保なメールだけのスマホを盗むなんて、何の目的だ。いじめか。
むしろ、あんなの人の手に渡るなんて…
「うわあああああ最悪最悪最悪ううううう!!!!」
机にうつ伏せに倒れ呻き声をあげていると視界に青いものが上から映ってきた。
「これ、君の?」
「………………え!?」
勢いよく起き上がり後ろを振り向くと観察しまくった、惚れ込んだあの人が立っていた。
