「あっありが…」 お礼を言おうとしたら 予鈴のチャイムが鳴った。 「やば、つぎ移動じゃんね」 私に確認するようにつぶやき 瀬谷君は急いで移動教室に向かった。 …なにあれ 窓に映る自分の赤くなった顔を見て頬に手を当てた。 高校に入学して半年は経ったけど 未だにクラスの男子と話した事がなかった。 それなのに人気者でかっこいい彼と 間近で話すなんて 男に免疫のない私にとってはかなり刺激が強すぎた。