「いただきます。」
クリームパンをパクリ。
!!!!
「おいしぃ…………。」
「なになにー?そのクリームパンおいしいの?お母さんも一口…………」
「え、だめ。」
「なんでよぉ、お母さんにくれたっていいでしょ?」
「これはダメなの!」
「……ははーん…………さては彼氏からだな?(笑)」
「ち、違うよ!もぉ、お母さん!ごちそうさま!」
急いで残ったクリームパンを持って部屋に駆け込む。
ベッドにチョコンと座ってクリームパンをほおばる。
ピリリッ……ピリリッ……
携帯が鳴る。
ディスプレイには下田先輩の文字。
思わず勢いよく電話に出た。
「は、はい!」
「もしもし?葵?」
「はい、」
「今日部活見に来てたね。」
「あ、あの……クリームパン……ありがとうございました。」
「……食べた?」
「は、はい。」
「今日。早弁したとか嘘だろ?だから2つ買ってみた(笑)」
「あ………………」
バレてた…………。
まぁ、そりゃバレるか……。
「…………あ、明日はちゃんと先輩お昼食べてください。」
「うん。食べるよ。今日ね、すっげーいいタイム出たんだよ。葵の弁当のおかげ。」
耳元であの優しい声が響く。
「っあ、はい。」
「じゃ、また明日ね。」
「はい、おやすみなさい……」
「おやすみ。」
ピッ……

