「ねぇ…ちー、なんかあった?」

「え…なんもないよ?」

「だって…朝、田中のとこ行ってないし…」

「あー…忘れてた」


忘れるわけ…ないじゃん。

でも、そう言わないと…
りっちゃんが心配する。


田中君のところに行きたくなる…。


「…そう」

「うん。あ、今日のテストってさー…」


もう諦めるんだ。

田中君を諦める。

もう…好きじゃない。


…自分に嘘をつくんだ…。