【告白】

「ハァ…」

ため息1つ。

「ため息をつく女は美しい。
なんていうけどアンタはため息つかないで。
景気悪くなる。」

そう言って私を呆れた目でみる彼女。

「桜李…そんなこと言ったって」

榎本桜李(えのもと・おうり)

「また有泉くんのこと?」

「うん…」

「そうかぁ…恋する乙女は大変だねー
有泉くん人気だもんね」

そう倖羽くんは

あのルックスのため

瞬く間に学校の

【王子様】

となってしまった。

「センパイ…ぎゅっ」

抱きついてくるのは

アタシの片思い中の彼

有泉倖羽。

180㌢ある背に似合わず

童顔。
甘えた。

と言った萌えポイントを持つ。

「倖羽くん!」

撫でて上げるととても喜ぶ。

可愛い。

「センパイ…今日の放課後。
けやき通りで待ってますね」

「うん、何かあった?」

「まぁとにかく来てくださいよ♪」

そう言って教室をでていく。

うちの学校には大きなケヤキが沢山並んだ

遊歩道みたいなところがある。

そこで待っていろという事

らしい。


放課後

けやき通りの一本の木に寄りかかる。

「ハァ…」

ため息1つ。





「早く、早く、倖羽くんに好きって言いたい」

ついホンネがこぼれた。


「早く、朱里センパイに好きって言いたい」

そう聞こえた。


反対側にある木をみると



倖羽くんがいる。


「ねぇ!倖羽くんホンネぶちまけよ?
さっき言ったじゃん!」

アタシの思いを察したのか

わからないけど


1つ頷いて


「せぇーのっ!」

とあたしが言うと

「「スキッ」」

ハモった。


クスクス笑うと....

ギュッと抱きしめられる。


「わぷっ」

なんて色気のない声

「好きですよ?朱里…センパイ」

アタシも。

と言おうとすると


口を塞がれた。


倖羽くんの"唇"で。

そこでも

私達のスマホの横で揺れる

りんごのストラップ。


「ファーストキスですか?センパイ」

「うん。」


"俺もですよ?"

そう囁く。

倖羽くん....



ファーストキスも

甘い


________りんごのかほりでした。