いつもどおりだった。
いつもと同じように目覚まし時計が鳴って、
いつもと同じようにカーテンを開けて、
いつもと同じように顔を洗い、歯を磨いた。
いつもと何も変わらない朝。

あれは夢だったのだろうか。

僕は制服に着替えながら、昨日のことを考えていた。夢だったと考えるのが一番自然だが、僕の中にはまだもやもやとした何かが残ったままなのだ。そのくらい、やけに鮮明でリアルだったから。あの声がまだ頭の中に響いている。

「物語はまだ始まったばかりだよ」

物語ってなんなんだ…?それにあの声は確かに…。

僕の中で一人の少女が浮かんだ。