「蓮央くぅん?大丈夫ー??あ、さっきは、ごめんねぇ?」

でた。佐上は、いつも俺の前だと甘え声になる。それがすごく苛立つ。
でも、俺に止めることはできるのだろうか。いや、恐らくできないだろう。

「大丈夫だけど?てか、郁瑠ちゃんに手出さないでくれる?すごく嫌だ。郁瑠ちゃんは佐上に何かしたのか?」
「桜田が私達には何もしてないし。大体さー、蓮央くんには関係なくね?私達が何しようと蓮央くんには関係ないの!だからさー、手出さないでってのは無理だねー。ごめんねぇ?」

あはは と笑う佐上。
この、「〜ねぇ」とかの言葉遣いがすごく嫌だ。だから、佐上の事が嫌いなのだ。

「あっ、そうだ!」

佐上が何か思いついたようだ。どうせ、なんにもならないことだろうけど。

「私、いいこと思いついたの!あのね、桜田をいじめて欲しくないんならさ、私と付き合ってよ。」

こいつは何を言っているんだ?
〝私と付き合ってよ。〟んなの嫌だよ。でも、郁瑠ちゃんが助かるなら、付き合うしかないかも....。

「少しだけかんがえさせてくれるか?」
「ええ、もちろん。そうね、次の月曜まで待つわ。」

そう言って、佐上たちは帰っていった。