青空のむこう





でも、今からでも間に合うかな。


私は昇降口の方に足を向けた。


昇降口に入り、自分の下駄箱から中履を取る。


外履から中履に履き替える。

足を上げてかかとまできちんと履く。

リュックを置き 、職員室に向かって走り出す。



廊下を全速力で走る。

走る、走る、走る。



あぁ、楽しい。


あぁ、嬉しい。


あぁ、気持ちいい。



なんで気づかなかったんだろう。

走るのが、こんなにも楽しいこと。

こんなにも心地がいいこと。


もっと早く気づけば、
こんな景色がいっぱい見れたんだよね。


ははっ。


ばかだな私。



角を曲がる。
勢いよく走り過ぎて転びそうになった。

体を内側に傾けながらバランスをとって職員室まで全速力。


少しして職員室という表式が見えてくる。

扉の前で止まり息を整える。

スー、ハー。スー、ハー。

と胸に手を当てリズム良く深呼吸。


そして、職員室の扉に手を掛ける。