青空のむこう






部活が終わり、家に着いた。


玄関のドアを開ける。


「ただいまー。」


玄関に座り靴を脱ぐ。

すると、奥の方から
ダダダダッとこっちに向かって誰かが走って来る音。


きっと弟だろう。

弟は風斗。
現在小5である。


リビングあたりから走ってきた風斗は
靴を脱いでいる私に勢い良く抱きついた。


あまりにも勢いがよすぎて私は一瞬たじろいだ。


「ねーちゃんおかえりッ!」

と言って太陽にようにニカッと笑った。

笑った時に見える八重歯。
そしてえくぼ。
それらが風斗のチャームポイントだ。


「おう!風斗ただいまッ!」

脱いだ靴をきちんと揃え、私は立ち上がった。


部屋で着替えるからと言い風斗をリビングに向かわせた。

階段を上り、一番近い扉を開け中に入る。


カバンを机の脇に置き、ジャージを脱ぐ。

そしてベットにたたんでおいた
Tシャツとショーパンを着た。

ジャージを持ち、下におりて洗濯機置き場に直行。

ジャージを入れ、洗剤、柔軟剤を順に入れてスイッチを押す。


そのあと、リビングに向かう。

リビングのドアを開けると夕飯の匂いが鼻をかすめる。


今日はシチューか。


自然と嬉しくなる。

自分の好物がだべられる。

そう思うだけで胸が弾む。