「ね、ナナちゃん…まだ?」


ナナちゃんの部屋の前に立つ僕


「待って!まだスカート決めてんの!」


「はいはい…」


女の子の身支度ってこんなにも時間掛かるのか…


「ん…いや…これは色が合わないわ…」


色で悩んでるのか…



そして


「お待たせー!」


部屋から出てくるナナちゃん


モノトーンを基調とした服装…


スカートが短い…!!


「あ…うん…あ…あのさ…寒くないの?足?」


「あぁ…うん大丈夫よ!つか、アンタやっぱりスケベね…いきなりそこ見る訳ね」


「いや…見ちゃうよ…」


多分、ジャンプしたら確実にパンツが見える…


「ま、良いわ!!行こ行こ!!」


そして、2人で外に出る…


もちろん、手を繋いで


「〜♪〜♪」


すごく機嫌が良さそうなナナちゃん


「ね、レンジ?」


「うん?」


「腕組んで良い?」


「あ…うん…良いよ」


「へへへへ♪」


腕を組んで、ピッタンコになって歩く僕ら


「ナナちゃん、どこに行きたい?」


「んとね……ゲーセン♪」


まぁ…僕らは中学生


繁華街にあるゲームセンターに入る


「初めてじゃない?2人でゲーセン来んの」


「そうだね…僕はノブとたまに来てるけど」


「そか…あ!アレが欲しーわ!!」


ナナちゃんが指差す筐体


UFOキャッチャーだ



「おりゃあ!ぬおお!!」


「ナナちゃん…UFOキャッチャーは気合い入れる必要無いって…」


「だって!アレが欲しーんだもん!!」


ナナちゃんが指差すぬいぐるみ


…あのブッサイクなウサギのぬいぐるみが欲しいの?


「でりゃあ!!」


ナナちゃんがUFOキャッチャーを体全体で操作する


ヒラリヒラリと揺れるスカート


見えそうで見えない


揺れる白い太もも


すごく柔らかそうで…


…触ったら…気持ち良さそうだな…


…ヤバい


反応してきてしまった…!


「レンジ?レンジ?ほら!取れたわよ!2回で!」


ぬいぐるみを僕に見せるナナちゃん


「あ…うん…」


「あ、今度は車のゲームやろうよ!」


ナナちゃんは車のゲームに僕を引っ張っていく…


それから街でお店を見て回ったり、本屋行ったり…


まぁ、お金をあまり使わない感じのデートだった


「お腹空いたわ…」


「そうだね…もうお昼だしね」


「マック行こうよ!!マック♪」


マックか…


まぁ中学生の僕らはその辺りだよな…




「これ、セットで」


「私も」


僕らは近くのマックで注文する


そして席に座る


「へへ…少し夢だったんだー♪」


ナナちゃんは何故か嬉しそうだ


「え、マックのハンバーガーが?」


「違うわよ!…彼氏とこーやって外で何かを食べるのって」


「へぇ…彼氏っていう単語なら誰でも良かったの?」


ちょっと意地悪をしてみる


「あ…いや…アンタよ!…意地悪だなぁもう…」


「ふふふ♪あ、ポテト食べる?」


「くれんの?へへ…やりぃ♪」


ナナちゃんは更に喜ぶ


「あーん♪」


「?」


「食べさせてよ、ポテト♪」


「えぇ!?」


「いーじゃんよぅ!昨日はケーキ食べさせてくれたじゃん?」


い、いや…あれは周りに人が居なかったからなのに…


「はいはい…」


仕方無しにナナちゃんの口にポテトを入れる


「パク♪あむ…♪」


…嬉しそうだ…


こっちまで嬉しい気持ちになってしまう…



「あらあら…幼馴染みの関係ってなぁそこまでやるのかしら?」


「え…?」


「ハロー」


ニコニコしながら僕らに近付く女子2人


部長に喜多見先輩だった…


「あ…こんにちは…」


しまった…


変な所見られちゃったな…


「あー気にしなくて良いわよ?マイコから聞いてるから」


手を軽く振る部長


「…え?」


「さっき違う店で会ったのよね…その時に全部聞いたから」


「ぜ…全部!?」


(レンジ…全部って…死神の事もかな?)


(いや…分かんないよ…)


「私、レンジ君に振られちゃいましたって…それでレンジ君とナナがくっついたって事」


「そ…そうなんですか…他には何か言ってませんでした?」


「んにゃ、何も」


…どうやら死神の事は伏せてあるらしい…


まぁマイコちゃんも死神だし、当然だよな…


「つーか…マイコすげーニンニク臭かったわ…鼻が曲がるんじゃないかって思ったわ」


部長がしかめっ面をしてる


「アハハ…♪」


まだニンニク臭かったのか…


「ま、部内の恋愛は結構結構!」


部長が満足そうに腕を組む


「え…良いんですか?」


「そりゃもちろん!あのままレンジ君とナナ、マイコの三角関係がうやむやに続くよりは全然良いわ」


「そうね…まぁマイコも結構スッキリした感じだったし…臭かったけど」


喜多見先輩も苦い顔をしつつ同調する


「…喜多見先輩…今日は彼氏は?」


ナナちゃんがいきなり変な質問をする


「は?」


部長がいきなり声を上げる


「ち…ちょっと!ナナ!!何をいきなり…!」


…?


喜多見先輩がやたらに慌て出す


慌てる喜多見先輩って初めて見るな…


「何それ、ラン、どういう事?私、聞いてないんだけど?ねぇ?ねぇ?」


部長が喜多見先輩をまくしたてる


「あ…いや…その…」


「私はランとお話あるからこの辺りで…じゃね!ほら…ラン!全部聞かせなさいよ!」


部長が喜多見先輩を連行していく…


「ナナちゃん…アレ…ホントなの?」


「ん?喜多見先輩の事?」


「うん…」


「うん、ホントよ…彼氏いるって言ってたもん」


そうだったのか…


「いや…でも部長知らなかったみたいだよ?」


「いやー親友なんだから知っておいた方が良いんじゃない?」


「結構鬼だね…ナナちゃん…」


喜多見先輩とどんなやり取りがあったかは知らないけど…


「さ、食べ終わったし…お店出よ?」




ナナちゃんに促され、僕らは再び街へと出る…