「ん…」


僕は目が覚める


既に窓からは朝日が差し込んでいた


朝か…


僕はある事に気が付く


「あれ…ナナちゃん?」


ナナちゃんがいない


下かな?


僕は1階に降りる


「あっちーー!!」


!!?


キッチンからナナちゃんの叫び声が…!


キッチンを覗くと…


フライパンで何かを作ってるみたいだ


「なんでこんなに油ハネるのよ!」


「ちょ…ナナちゃん?何やってんの?」


「あ…おはよレンジ…目玉焼き作ってんのよ♪」


「目玉焼きって…ちょ…油ひき過ぎだって!なみなみ過ぎるよ!」


「え?」


ーグツグツグツグツ!!ー


隣を見ると鍋が吹きこぼれそうな勢いだ


「え…これは?」


「あ…味噌汁…」


「強火で煮立て過ぎだって!!しょっぱくなっちゃうよ!?」


「え!?マジ?」


僕は慌てて火を止める




「……ごめんなさい」


ナナちゃんがペコリと頭を下げる


「いや…良いんだけどさ…一体どうしたの?」


「だってさ…私レンジの彼女じゃん?ご飯くらい作ってあげたくてさ…」


人差し指をちょんちょんとするナナちゃん


ちょっと可愛い♪


「いや…いきなりは無理だよ…いつも通り一緒に作ろ?」


「…うん…」


ーピロリ♪ピロリ♪ー


「あ、ご飯炊けた」


「あ…僕がよそるよ…」


ーパカー


炊飯器を開ける


「………」


「れ…レンジ?」


「お粥だね…」


「ええーーー!?」


どうやら水の配分を間違えたらしい


そして、食卓には油まみれの目玉焼き


煮立ち過ぎたお味噌汁


そしてお粥


「ゴメン!!」


「いや…僕も最初はこんな物だったよ…やってるうちに上達するからさ…ね?」


「うん…」


「あら…いい匂い…」


エリさんがリビングに…


!!


「ちょっと!!なんつー格好で登場してんのよ!!」


「ん?これ?ネグリジェよ」


「スケスケじゃないのよ!!ブラとパンツまで!!」


「別に良いじゃない?久々にリラックスして寝れたわー♪…ん?何これ」


エリさんがナナちゃんの作った食事を見る


「私風邪ひいてないわよ?お粥とかあるけど」


「……」


沈黙のナナちゃん


「と…とにかく食べましょ!ね?」


僕は皆に食べる様に促す


「ズズズズ…味噌汁しょっぱいわ…」


真顔のエリさん


「ま…まぁ、お粥もあるし…ね?ナナちゃん」


「う…うん…」




そして、とりあえず朝食が終わる


「エリさん…さすがに着替えてよ…女の私まで恥ずかしいわよ…」


「はいはい…まぁ私は出るから…後はよろしく」


「どこに?」


「同僚に会いによ…ナナ達はどーするの?」


「いや…決まってないけど…」


「ふーん…今日はお休みだしねぇ…お、や、す、みだしねぇ…ニヤニヤ♪」


ニタニタ笑うエリさん


「な…何よ?」


「あ、レンジ君、ちゃんと避妊はしなさいね?」


「早く行ってよう!!恥ずかしいなー!」


「はいはい…じゃね♪ホホホ♪」


エリさんがリビングを出る


「ま…まぁさ…とにかく僕をその…死神に覚醒させなきゃダメなんでしょ?」


「うん…そうだけど…方法が分かんないのよ?」


確かに方法が全く分からない


「うーん…ショック療法とか…?頭をぶつけるとか」


「アンタ自分でイヤじゃないの?」


「うん、イヤ」



「でしょ?」


しばらく2人で考える


だけど、何も思いつかない


「…あのさ、ナナちゃん」


「んぁ?何?」


「良かったらさ…デートしない?」


「え…?」


「イヤかな?」


僕の問いに首を横にブンブンと振るナナちゃん


「い…イヤじゃないけど…レンジを覚醒させないと…」


「だって考えても分かんないもん…どっか言って気分転換しようよ?」


僕の提案にしばらく考えるナナちゃん


「そうよね……それもいっか…♪」


「でしょ?ね!決まり!」


「うん!!着替えてくる!!」




ナナちゃんは小走りで2階に上がる…