「あら?もうこんな時間ね…」


時計を見るナナちゃんの上司…エリさんというお姉さん


「12時半か…夜更かしは肌に悪いね…」


「タバコをバカバカ吸ってる女が何言ってんのよ?」


確かに、マイコちゃんの上司のヒトミさんというお姉さんはタバコの量がすごい…


灰皿がてんこ盛りだ…


「ケフ…♪」


そして満足そうにお腹をさするマイコちゃんからは強烈なニンニクの匂い…


この2人が一緒に歩いてたらもはやテロだ


「さて、帰るか…マイコ?」


「…うん」


僕らはお店を後にする


「ご馳走様でした…ほら?ナナちゃんもだよ?」


「あ…うん…ご馳走様でした」


「いやいや、お粗末様…ま、どっちにしろウチの部下が迷惑掛けたからね」


「ヒトミさん…どの辺りから見てたの?」


マイコちゃんがヒトミさんに質問する


「アンタがケッケッケとかヒャッヒャッヒャとか笑ってる辺りからだよ」


「ほとんど見てるじゃない…」


「エリさんは?」


ナナちゃんが同じ質問をする


「あなた達2人がファーストキスで舌入れてる辺りからよ」


「は!?ちょっ…何でそーいう事言うのよ!」


「ベッチョベッチョとエロスなキスだったわ…ガキンチョのクセに」


「ちょっと!!」


そんな所まで見てたのか…このお姉さんは…


「ふーん…ナナちゃんそんなキスするんだ?」


マイコちゃんがニタニタと笑う


「い、いや!アレは流れで…」


「良いんじゃない?両思いなんだしさ…ね、レンジ君」


「あ…いや…なんて答えたら良いか…」


「ほら、そろそろ行くよ?ラーメンであったまった身体が冷えちまう」


ヒトミさんがマイコちゃんの肩を掴む




「レンジ君、ナナちゃん…」


マイコちゃんが僕らを見つめる





「…ゴメンなさい…それとありがとう…」


「あ…うん…」


僕は頷く


「2人が良かったらさ…」


マイコちゃんが少し遠慮がちに何かを言う



「今まで通り…友達で…いてね……」


僕らは頷く


「当たり前だよ…僕らの大切な友達、だからね…」


「ありがとう……!」


マイコちゃんは微笑む


まだほんのり目が赤い…


そして、マイコちゃんは軽く手を振る





「バイバイ」




「…バイバイ…」




僕とナナちゃんはそれに応える様に軽く手を振る


そして、ヒトミさんとマイコちゃんは夜の街へと消えて行く…


「………」


マイコちゃんの後ろ姿をずっと見続ける



「レンジ?」


ナナちゃんが僕を見つめる


「…行こ…ナナちゃん」


「うん」


僕らは手を繋ぎ、家へと向かう






「ちょっと、仲良く手を繋ぐのは良いけど私の存在を忘れないでくれるかしら?」


エリさんが呟く


「あ、ゴメンなさい」


「素直ねぇレンジ君は…♪その素直に君にお願いあるんだけど?」


「あ…はい…何ですか?」


「今日泊めてくんない?」


「は…?」


「な…なんでよ?エリさん死者の世界に帰れば良いじゃない?」


「何よ…彼氏彼女になったら急に冷たいわね…大体、私はもうノコノコと死者の世界には帰れないのよ?」


「え?何で?」


「もう私の動きはある程度察知はされてるからね…下手に死者の世界に帰れば逮捕される可能性があるのよ」


「あ…そうなんだ…」


そうか…エリさんはテラーと委員会という組織を破壊するつもりなんだ…


「ま、私は第一級の反政府のテロリストってとこね」


「ま…まぁ構わないですよ?狭いですけど…」


「ほら!みなさい!あなたの彼氏は優しいじゃない!」


「はいはい…わかりましたよぅ…」


ナナちゃんが不満そうに呟く


まぁ、確かにせっかくナナちゃんと恋人になったのに…


ちょっと残念ではある


「あ…でもベッドが空いてないな…」


「レンジ君のベッドで構わないわよ?」


「はぁ!?エリさん何言ってんのよ!?」


「ま、おっぱいくらい揉んでも構わないわよ?」


「え?あ…いや…」


「そこの鉄板みたいな胸じゃ寂しいでしょ?」


「て…鉄板て…!洗濯板よりヒドイよエリさん!」


ナナちゃんが猛抗議をする


「ホホホ♪」




そして、ようやく家に辿り着く…