「カッコつけんじゃないわよ…どきなさいよ!」


マイコちゃんが刀をレンジに向ける…!


「僕は…!確かに君を振った…傷付けたと思う…!!本当に申し訳ないと思ってる」


「申し訳ないって…何を今更…!振ったのは事実でしょ?どきなさいよ!!」


「確か…今更でもあるけど…でも僕はどかない!!」


「どけ!!」


「どかない!!」



「レンジ!!アンタ下がってなさいよ!!」


私もレンジに下がれと言う


しかし


「イヤだ!!」


「れ…レンジ…?」


「僕は…男なんだ…好きな女の子を守りたいんだよ!!…なんなら……一緒に死んでも構わない!!」


「ちょ…!!レンジ…!」


私の前に背を向けて立つレンジ


微動だにしない


「なら…お望み通り…!」


マイコちゃんが更に低く構える…!


だけどレンジが口を開く


「それに…」




「ナナちゃんとマイコちゃんが殺しあうのなんて…イヤだ…!」


「!!」


マイコちゃんがピクリとする


「僕はナナちゃんが好きだ…でも、マイコちゃんは部活で一緒に苦労してきた…楽しんできた…!ナナちゃんよりも長く…!」


レンジ…!


「僕にとっては、マイコちゃんは1番大切な友達なんだ…!!」


ーカチャカチャ…ー


マイコちゃんの手が震える


野太刀がカチャカチャと音を鳴らす


ーカチャカチャ…カチャカチャー


ーガシャッ!ー




野太刀が……


マイコちゃんの足元に落ちる


「……友達…か……アッハハ…」


マイコちゃんが……


ガックリとうなだれる…


「やっぱり………友達なんだね……ハハ…♪」


力なく喋るマイコちゃん


「……こんな事したのに……殺そうとしたのに……1番…大切なって……グス…どれだけ人が良いのよ…!ウグ…!」


ポロポロと…大粒の涙を流すマイコちゃん


どんどんと頬が濡れる…


「………ご…ごめん…なさい……!私…わだぢ…!!グス…!ふぐぅ……!何て事を゛!!」


マイコちゃんは膝を地面につき、顔を覆い泣く


「あ……!」


レンジが駆け寄りマイコちゃんの涙を拭ってあげてる…


う…うーん…


レンジにとっては自然な事だろうけど…ちょっと妬くわ…



でも…


なんとか…ひと段落ついた…


「はふ…」


私は大きなため息をつく…


ほんの少し…


私の吐いた息は…




白かった…