「い、良い事?」


マイコちゃんがレンジに視線を送りながら放つ言葉



「この女…桜川ナナがなんで生き返ったのかよ?」


「え…?」


!!!


「あなたの事が好きで…会いたかったから生き返ったんでしょうけど…もう1つ理由があるのよ?」


まさか…!




「レンジ君…それはね…」


まさか…!





「あなたを殺害しに来たのよ…死神としてね」


「は…?え?し、死神?」


マイコちゃんに、私の真の目的をバラされる


「それをさぁ…ひた隠して、レンジ君…あなたと同居してたのよ?…サイテーでしょ!?アッハッハッ♪」


「ぐ…!」


「毎日毎日…この女は好きな男の子の首を狙って…レンジ君?君は毎日毎日、命を狙われていたのよ?アッハッハー!♪ホントマジでサイッテー♪アッヒャッヒャ!♪」


「い、いや…良くわからないんだけど…」


確かにレンジにとってみれば疑問だろうな…


「ま、途中からは私もそうだったけどね…委員会の命令でね…」


委員会の命令?


待てよ?委員会はいかなる理由があっても強制執行は禁じてるはず…


そういえばヒトミってタバコ女も言ってたわ…


一体何故…?


「どういう事なの!?委員会がなんで強制執行を…!」


「今回は特例なのよ…まぁでも、テラーのハンターには関係ないわ?」


確かに…敵なんだからな…


そして、マイコちゃんは何故か刀を鞘に納める


「!?」


何故だ?


「中国刀は止めた…アンタ意外にスピードあるしね…スピード対スピードじゃラチがあかないし」


マイコちゃんが出現させた武器は…


あれは!?


ギラリと光る日本刀


しかし、かなり長い…!


あれは!あのヒトミって女が使ってた…


「野太刀!!」


「あら?良く知ってるじゃない?ま、私はヒトミさんから訓練受けたからね…これの方が好きなのよね…」


そして、マイコちゃんは刀を構える…


刀を片手で持ち、切っ先を私に向ける


かなり低い姿勢…


突きの構え…


「この一撃で決めてやるわ…スピードとパワー…!避けたりガードなんかさせないわ…バラバラに粉砕してやる!!」


「くっ…!」


あの野太刀の威力は分かってる…


それに加えてマイコちゃんのスピードで来られたら…!


くそ…ならば…私も…


私も日本刀を鞘に納める


「…?何のつもりかしら?」


そして、私も武器を変える


それは…


「へぇ…大鎌ね……死神らしいじゃない?」


日本刀を愛用してる私


だけど、最も訓練を受けたのはこの大鎌なんだ…


かさばるから使わなかっただけの事


「どのみち、その鎌ごと粉砕してやるわ!!」


マイコちゃんは更に低い姿勢になる


そして


「喰らえ!!」


来る!!


なんだろう…もの凄くスローモーションに感じる


マイコちゃんが刀を突き出して突進してくる…!


スローモーションに感じるが、おそらく凄まじいスピード…


私はその突きを鎌の刃でガードする


(もらったぁ♪)


マイコちゃんがニヤリと笑う


このままガードすれば鎌ごと突かれる


その突きを、鎌特有の湾曲で横に流す

(…な…!)


そのまま、横に流し、私も横に移動する


マイコちゃんは私に攻撃を流され、突きの態勢のまま、私の居たであろう場所を通り過ぎる


完全に隙だらけた


「喰らえぇ!!」


ーザシュッ!!ー


隙だらけのマイコちゃんの魂に攻撃を加える


「あぐぁ!!」


ードシン!ー


倒れるマイコちゃん


恐らく、1秒無いくらいの出来事…


「っはぁ…!!」


私は大きく息を吐く


「あぐっ!!…くっそぉ…!!ち…ちくしょう!!」


刀を杖にして、立ち上がろうとするマイコちゃん


「もうやめなさいよ…!魂にクリーンヒットしたのよ?」


「うるさい!まだ…まだやれるわよ!!次こそ殺してやる!!」


また、さっきの構え…


また来るのか…


その時


「もう、やめて…!!」


「レンジ!!」


レンジが…マイコちゃんの前に立つ…!


「な…何よ!!どきなさいよ!!」


「…やめて…!!」


「うるさい!一緒に殺すわよ!」


「…マイコちゃん…もうボロボロじゃないか…お願いだから…もうやめて!」


「何なの?私を振っておいて、今更気遣う気なの?…ふざけんじゃないわよ!」


「ふざけてなんかない!!」


レンジが声を張り上げる…


レンジ……!