「待てェェ! イッヒャヒャ!」


マイコちゃんはまさに狂人の如く私達を追いかけてくる


「そこ!左!!」


「うん!」


私とレンジは住宅街を駆け抜ける


でも…マイコちゃんが委員会の死神だったなんて…


私も戦えば良いんだけど…


レンジがいる…


まだ正体をバラす訳にもいかないし…


なんとか撒かないと…


「な…ナナちゃん!お巡りさんの所は?」


「無理無理!!さっきベンチをぶん投げたのよ?あんな怪物相手に歯が立つ訳ないわ!!」


お巡りさんごと殺されちゃうわ!


「アーッヒャッヒャッヒャ!!」


マイコちゃんは二刀流の刀を振り回しなが私達を追いかけてくる


「右!!」


十字路を右に曲がる


しかし


「ざんねーん♪ケケケケケ♪」


目の前にマイコちゃんが立ちはだかる


くそ…飛んだのか!


私達は踵を返す


「シェアァ!」


マイコちゃんの刀が私の髪の毛をかすめる


くっそ…


レンジを抱き抱えて飛行したいけど…


「うりゃ!!」


レンジがいきなり地面を蹴り上げる


「ぐぅあっ!!」


ちょうど地面は砂利道


砂利を蹴り上げたんだ!


「くそ!!砂が目にぃぃ!!」


マイコちゃんが目をこすってる


「ナイス!!」


その間に私達は走り抜ける


そして逃げるのは困難と判断した私達は近くの小学校に逃げ込む


「隠れるわよ!!」


「うん!!」


私達は校門をよじ登り校舎へ


「ここって私達の通ってた小学校じゃない?」


「うん…!ほら!こっちだよ!」


実はこの学校、1カ所だけ扉の立て付けの悪いドアがある


ーガタガタ…ガラ…ー


「良し!開いた!!」


レンジがドアをうまく開ける


そして校舎の中へ


とりあえず、私達は図工室に入る


棚がたくさんあるからだ


「ほら!ナナちゃん!ここなら2人入れるよ!!」


大きめな棚


その下段にある戸棚の中に私達は入り込む


(ちょ…入れたけどマジ狭い!!)


(しょうがないよ!我慢して!)


ちょうどレンジが私に覆い被さる形で戸棚に隠れる


その時


ーガッシャーン!!ー


ガラスの割れる音


(は…入ってきたわよ!!)


私達は息を潜める


「ウッフッフー♪どっこかにゃぁ!どこだオラァ!!」


ーバキャ!!ベキィィィ!!ー


廊下で暴れながら私達を探すマイコちゃん


(ちょっと…アンタどんな振り方したのよ!?)


(いや…君とは付き合えないって…)


レンジは弁明するけど…


あのマイコちゃんの様子は尋常じゃない!!


その時


(ちょっ!!アンタどこ揉んでのよ!!)


(え ?お腹?)


レンジの手のひらが私の胸を鷲掴みする形になる


(胸よ!!おっぱいよ!!)


(え?これ胸なの?)


(殺す!!マジで殺す!!)


ーモミモミー


(いやん!!)


(あ、本当だ…胸だ)


(確かめねーと分かんないのか!!)


なんて失礼なヤツなの!!


(ナナちゃん…ブラジャーは?)


(スポーツブラよ!バカ!!)


ーガタン!ー


しまった!!


物音を立ててしまった!!


ーコツコツ…コ…ー


マイコちゃんの足音が止まった!!


「そこ…ね?アッヒャー!!」


ードガン!!ー


図工室のドアが吹き飛ぶ音がする


「ウフフ♪…さぁて…どこかしらぁん♪」


(ま…まずいわ!)


ーガラー


ーガラガラー


と…戸棚を順番に開けてる!


このままじゃ…見付かる!!


そして…


ついに私達の隠れる戸棚へ…


「ここかしら…?ウフフ♪」


ーガラガラー




「おりゃぁ!!」


レンジが飛び出す!


そして上着をマイコちゃんの顔に巻きつける


「な!?ムガァ!!」


突然の攻撃に怯むマイコちゃん


しかもレンジのヤツ、巻きつけた上着の腕の部分を器用に結んだ!!


「モガァァ!!」


顔に上着を巻き付けられたマイコちゃんは暴れ出す!


「ナナちゃん!!今の内に!!」


マイコちゃんが苦しんでる横を私達は走り抜ける!!




くそ…この鬼ごっこはいつまで続くのよ…