「へぇ…生き返るなんてあるんだねぇ…」


マコちゃんは簡単に納得してしまった…


まぁその方がこっちとしては楽なんだけど…いいのかしら…


「7つのボールを集めたとか?」


「いや、それマンガだし」


マコちゃんはあぐらをかいて話す


「マコちゃん…パンツ丸見えだよ?」


「ん?別に女の子同士だから良いじゃん♪」


…まぁ昔からこの調子だからな…


「ねえねぇ、体さわって良い?」


マコちゃんは生き返ったのがよっぽど珍しいのか、私に手を伸ばす


「良いけど……んぎゃー!なんで股に手を突っ込んでくるのよ!」


「濡れた?」


「もう…」


相変わらずだなぁ…


「で、レンジ君は?」


マコちゃんが辺りを見回す


「あーあいつは出かけてるの」


「ふーん…じゃ暇してんだ?」


「うん…」


するとマコちゃんはニヤニヤと笑い出す


「ねぇ…ナナちゃん…レンジ君の部屋…漁らない?」


「へ?何で?」


「決まってんじゃーん!エロいブツを探すのよ〜♪」


「はぁ!?な…何でよ!」


「だって興味無い?好きな男の子がどんな趣味なのか」


マコちゃんは私がレンジを好きな事を知ってる唯一の人


昔は良く相談に乗ってもらったなぁ…


「で?無いの?ねぇねぇ!?」


マコちゃんが答えを迫ってくる


「……ある」


私の答えは結局1つだった


「んじゃ決まりね〜!」


私とマコちゃんはレンジの部屋に突入する


「あら…意外にも綺麗ね〜…まぁレンジ
君だからねぇ」


マコちゃんがレンジの部屋を見て感心する


確かにレンジの部屋は余計な物が無くてスッキリしてる


「クンクンクンクン」


「…マコちゃん…何やってんの?犬?」


マコちゃんがレンジの部屋の匂いを嗅ぎ出した


「いやー!イカ臭くないのねぇ…もとい栗の花?」


「は?イカ?栗?」


「だって、男の子の部屋って言ったらイカ臭そうじゃん」


「いや…良く分かんないんけど…」


何を言ってるんだ?


「ま、良いわ!やっぱりエロ本を隠すと言ったら…」


マコちゃんはレンジのベッドのマットを捲る


「あったー!うひゃー!レンジ君分かり易い場所に隠してるわぁ!」


マコちゃんが取り出したのは数冊の本


どれもいやらしいヤツだわ…


「どれどれ…拝見」


マコちゃんが本をペラペラと読み出す


まぁ私もだけど


「レンジ君チラリズムが好きなのねぇ…この本それ系が多いわ…」


確かに、女の子の下着が見えそで見えないのが多いわね…


「どれ…こっちは…女子高生…しかもお姉さんモノよ!」


マコちゃんが次に取り出したのはブレザーや制服を着た女の子が多い本


「バッチリ私じゃーん!レンジ君私でヌいてんのかしら?…いやーん!」


ヌいて?


マコちゃんはホッペに手を当てて喜んでる…


「あ、アイツ…年上が好みなのかしら…」


私が一抹の不安を口にすると


「ふふふ…心配?でも安心なさい!コレがあるわ!」


マコちゃんが次に取り出したのは


「貧乳学園よ!」


確かに、本のタイトルにはそう書かれてるし、写ってる女の子は胸が小さめな女の子ばかりだ


私は少しホッとするけど


「いや、それって私が貧乳って事だよね?マコちゃん…」


「え?違うの?つーか無乳じゃない?」


…ひでぇ…マコちゃん…


「他にもナースとか色んな種類があるわね…」


確かに、イマイチレンジの趣味が掴めない…


マコちゃんは本を見てる


「おぉ…結構エグいのもあるわ…♪ウヒャー☆」


しかし、私はレンジの机の上のある物に気が付く


それは、写真立て


何故か写真が見えない様に伏せてあった


私はそれを手に取る


「……!」


そこには幼い頃の私とレンジが写っていた


私がレンジの首に手を回してピースして、レンジは困った様な…でも笑顔で写ってる写真


「…へぇ…」


いつの間にか、マコちゃんが後ろにいた


「仲良かったもんね」


優しく語りかけてくるマコちゃん


「うん…でも…何で伏せてあったのかな…」


「思い出したくなかったんじゃない?レンジ君…ナナちゃんが死んじゃった時はそりゃもう酷かったんだから…」


「そうなの?」


「うん…あのレンジ君は私も思い出したく無いわ…飯はロクに食べない、喋らない、もー酷かったんだから!」


そうだったんだ…私が死んじゃって…そんなに…


「レンジ君のお父さん、彼をカウンセリング連れて行ったくらいなんだから」


そこまで…


私はレンジがそこまで落ち込んでくれていた事に、申し訳なさとちょっぴり嬉しい気持ちになる


私は写真立てを戻すと


2階に上がってくる足音


ま…マズい!レンジだ!こんなに早く帰ってくるなんて!


私達は本を隠そうとするけど時既に遅し


「僕の部屋で何…を……!」


レンジが固まる


「おーっす!レンジ君!君って多趣味ねぇ♪」


開き直るマコちゃん


「ちょ!何やってんの!」


「いやー!もしかしてレンジ君私でヌいてる?」


「そんな訳無いでしょ!」


「じゃあナナちゃん?」


マコちゃんは貧乳学園を掲げる


「やめてってば!」


レンジはマコちゃんから本を奪ってすぐにしまってしまう


まぁ当然だよな…でも、私は疑問がある


「ねぇ…マコちゃんでヌくとか私でヌくってどういう意味?」

私は正直、その意味が分からなかった


私はレンジに質問する


「は?…いや…えと…知らないなら知らない方が…」


レンジが私と目を合わせない


「は!?知ってんなら教えなさいよ!」


私だけ知らないなんてなんかイヤだ!


「あーナナちゃん、ちょっと耳貸してみそ?」


マコちゃんが耳打ちをしてくれる


「えっとね…ゴニョゴニョ」


シコ…え?シコ?出す…?


な…!!


「あ…アンタ…マコちゃんと私で何やってんのよ!」


「へ…?いや!マコ姉ぇ…何教えてるの!」


「サイッテー!」


私はレンジのお腹に蹴りをお見舞いする


「ドゥ!!」


「ふん!!男の子ってそーいう事してんのね!」


「おーおー…回し蹴りとは死んじゃう前よりパワーアップしてるわね♪アッハッハ!」


マコちゃんが大笑いする



「わ…笑い事じゃないんだけど…」


レンジがお腹を抱えて小さく呟いた…